2009年08月14日

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(4)発売記念 伏見つかさインタビュー <後編>

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 電撃文庫アスキー・メディアワークス)より刊行されている新感覚兄嫌い妹コメディ小説『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(以下『俺の妹』著・伏見つかさ、イラスト・かんざきひろ)第4巻が発売されたネタバレ:このエントリでは重大なネタバレが含まれております。『俺の妹(4)』読了後にお読みいただくことを推奨します

インタビュー前編から続いて、読者代表としてかーずSPのかーずと、はつゆきエンタテインメントのノトフが伏見つかさ先生の打ち合わせ現場に直撃!第4巻衝撃のラストも含めて、根掘り葉掘り激しく質問責めにしたのだった。


かーず:すでにみんな読み終えた頃でしょうから、存分にネタバレトークいきますよ!まずは俺の妹(4)一番のキャラクター的なツッコミどころは加奈子だと思うんですが、第二巻の頃はここまで酷い子だとは思いませんでしたよ!

伏見つかさ先生(以下、伏見):初めはこんなに悪い子じゃなかったんですけど、担当編集からの「アイドル声優の裏側のドロドロしたところを書いてよ」というリクエストでこうなりました。

三木一馬さん(伏見先生の担当編集者。以下、三木):ほ、本当に発言そのままじゃないですか!汗

かーず:言ったんだ……。

伏見:なので、以前「加奈子の元ネタは『苺ましまろ』です」と言いましたが、ばらすぃー先生に失礼なので美羽をモチーフにしたという発言は撤回させてください(笑)。「なんだこれ!声優業界はこんなんじゃないよ!」とお怒りになった方にも、この場を借りてお詫びさせてください。申し訳ありませんでした。

編集・三木:あの元ネタは、とあるイベントで『●●●●●の●●』のコ●●●●ンが楽屋でだるそうに●●●吸ってたというエピソードから来てるんですけど、発言は自粛しておきますね。

小原一哲さん(伏見先生の担当編集者。以下、小原):もう言ってるから!ほんといい加減にしないと、今でも編集部内で白い目で見られてるのに……。

ノトフ:たしかに加奈子は確かに性格悪すぎですが(笑)、こないだのワンフェスで見てきたエポキシパフェさんのメルルフィギュアの出来が良くて、加奈子ってメルルにそっくりだとしたらこんなに可愛いのかよ、とハァハァしました。

伏見:二人が似ているという設定は実は最初から決まっておりまして、使いどころがようやく来ました。こういう性格悪くて(見た目が)可愛い女の子が酷い目にあっているシーンって、面白くて萌えると思うんです。

かーず:ひでぇっ!(笑)。伏見さんって温和な雰囲気なのに実はエスなんですね。ドナドナという表現はやっぱりココ(アキバBlog)ですか?

伏見:はい。アキバblogさんの記事で使われていた、「ドナドナされていった」という言い回しが凄く好きで、今回使わせていただきました(笑)。

geek(アキバBlog管理人):あの表現は前に「路上ツナヒキでまたフンドシになったら、手帳を持った人がきた」という記事を、めっつぉ-Intermezzoさんが「ドナドナ」って書いていて、上手いなと思って僕も使わせてもらうようになったんですよ。

編集・三木:『ドナドナ』ネタは、秋葉原に「肉の万世」ビルがでーんと構えてて、なんか牛の街って感じがして相性いいなと思っていたんですよね(笑)。



かーず:あと外でモバイルエロゲーをするオタクが出てくるんですけど、こんな奴がいたんですか?

伏見:私の友達にですね、電車の中でエロゲーをやる人がいるんですよ。

かーず:へぇー、そんな事をする奴が……まあ、ときには、いるかもしれないな。……っていうかそれ僕の事ですよね!ASCII.jpさんで書かせていただきましたからね!

伏見:私は(このエピソードを)直接かーずさんから聞いたんですが、その時から「そんな人がいるんだ。いつか絶対ネタにしよう」と思ってました。

かーず:またネタにされちゃった!でも外でもエロゲーを遊ぶのって、萌え系オタの目指すところと思うんですよね。

編集・三木:というか、純粋に質問なんですけど、なんで外でやるんですか?だって雨とか降ってきたり、ごぞごぞしようとしても落ち着けないじゃないですか。

伏見:なんですかごぞごぞって(笑)。

かーず:ゲームをやる時は集中しているんで。まあだからこそ覗き込まれても気づかなかったんですけど……。やっぱりいつでもどこでも二次元の女の子といちゃつきたいっていう、常に萌えヒロインが側にいる感覚です。分かりますか?家に帰ってデスクトップを立ち上げないと女の子に会えないなんて縛られすぎだろって、そんなの七夕じゃないんだから、いつでもどこでも会いたいに決まってるよ!……って、あれ、なんでみんな離れてるの?

編集・三木:……さすが究極生物ですね。

かーず:カーズだけにね。


ノトフ:……えーっと、師匠が暴走したので僕が代わりにお訊きしますね。桐乃の秘密コレクション……特殊嗜好ゲームの方じゃなくて(笑)、成績表などが出てきて、意外な過去が明らかになりましたが。

伏見:天才と呼ばれている人たちにもそれなりの理由があるはずで、一言で「天才」と片づけてしまうのは失礼じゃないかという思いがあるんです。桐乃が多才で凄いヤツだという設定も、ただの記号の羅列にはしたくなかったんです。京介は「凄い奴は最初から凄い」とずっと思っていたんですけど、実はそうじゃないんだよっていうのを書きたかったんです。そういった私の事情を編集のお二人に打ち明けて『桐乃が隠しているものとは何だろう』と話し合った結果、こういう設定にしたらどうかというアイデアが出てきました。

ノトフ:ケータイ小説の時にも思いましたけど、桐乃の常に全力な姿勢というのは尊敬に値します。だからこそ、今回最後にあの行動を取るわけなんですが……あやせのヤンデレとか電○編集部とか毎巻何かしら驚かされてきましたけど、その上をいく衝撃度でした。

伏見前編インタビューですこし触れましたが、桐乃がああいう風になるっていうアイディアは編集サイドから出たもので、大変な無茶ぶりに私自身びっくりさせられました。

編集・三木:本当にこの作品は桐乃人気が凄いんですね。ならばこそ、みんながきっと桐乃の話を読みたいはずだから、逆に見せないで桐乃の魅力を表現したいんだよ!それにはこうすると良いと思うんだよ!!って伏見さんに詰め寄りました。

かーず:あまのじゃくですねぇ(笑)

伏見:一度言い出したら、なかなか意見を曲げてくれない方なんです(笑)

geek:再度聞くことになりますが…、桐乃が兄貴のことを本気で嫌いなのはマジでいいんですよね?最初からもうあまのじゃくになってると感じたんですが。

編集・三木:そうですね。前編では伏見さんに発言を止められましたが(笑)、「嫌い」って言うのは本当です。京介も本当に桐乃のことが嫌いだと思います。でも「好きの反対は無関心」というように、「嫌い」にはいろんな感情がこもっていると思うんです。なので、たとえばですが、京介としては桐乃がいなくなった時、嫌いだとしても絶対寂しいはずなんですよ。

かーず:それは一理ありますね。

編集・三木:これは自分の経験上ではありますが、学校や職場ですごく嫌いだった人がその場から離れていった時、『うおー、すがすがしくなった。俺の時代きたー!』って思ったんですけど、同時に凄く寂しくなって、『なんじゃこりゃ、素直に喜べない』って感じたんです。嫌いなのに、必要としているという。そんな複雑な気持ちが人間にはあって、なら京介や桐乃も同じ風に思うんじゃないかと。これは最初からテーマとしては持っていたので、伏見さんにもところどころで「どう?」って、持ちかけてはいました。

伏見:その件については相当揉めました。キャラクター人気では、ぶっちぎりで桐乃が一位ですから、『こんな展開』を書いてしまったら、このシリーズやばいんじゃないかと不安になってしまったんです。そのあたりのことを色々話し合った結果、『アンケートを実施して読者に訊いてみよう』ということになったんです。ここだけの話ですが、私としては『読者が編集の無茶ぶりを止めてくれればよし、そうでなくとも読者からの要望であれば私も納得して続きを書けるようになるだろう』というわりと切実な想いがあったんです。

編集・三木:無茶ぶりすみません……onz。

かーず:例のアンケートで逆の反応が来たら全て書き直しというアレですね。

伏見:はい。アンケートの結果がどちらに転ぼうと、私にとっては望ましい展開なんです。いま申し上げたようなメリットを享受できると思えば、書き直しなんてたいしたことではありません。いつものことですし。

かーず:その辺、すでにtwitterで反応が出ているんじゃないですか?桐乃と黒猫が「@」でtwitter返しをするっていう逆批評が楽しみなんですが、今はどうなっているんでしょう?

編集・三木みていただければ分かりますが……なんというかもう、無法地帯ですみません……。

 twitter:桐乃のつぶやき 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 公式サイト


かーず:第4巻も語るところ多しといった感じですけど、伏見さんが個人的にお勧めするシーンってどこでしょうか?

伏見:第一章の京介と黒猫が二人きりで話すシーンですね。お互いに対して少なからぬ関心があるために、ああいう雰囲気になってしまうという空気感が好きです。あとは桐乃が兄のパンツを嗅いでいる疑惑とか(笑)

かーず:あはは、あれも最悪ですね!というか『ベルフェゴールの呪縛』がメタなセルフパロディになっていて大笑いしました。

伏見:「京介の主観を疑う」など、前にインタビューで話していたことを本編でも触れておきたかったので、ギャグ仕立てにして挿入しました。

かーず:あと触れておきたいのが、電撃G'smagazine2009年9月号の16ページに載っている「桐乃の立体(フィギュア)化プロジェクト始動」ですが、やっぱり前号に掲載されていたラフはフィギュアだったんですね。これも読者投票で決まるらしいんですけど、どんなやり方なんでしょうか?

編集・小原:これら3つのポーズ案の中から、「フィギュアになったらいいな」と思うものに投票していただいて、票を一番多く集めたものを本当に立体化してしまおう、という企画です。現在発売中のG’sマガジン9月号のアンケートハガキ、『俺の妹』公式サイト、携帯専用サイト「G’sモバイル」のどれからでも投票できるので、ふるってご参加ください!あ、抽選でプレゼントも用意してますよ。

geek:『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の第一巻が出てから丸一年経ちますけど、振り返ってみていかがですか?

伏見:本音をいうと、当時は一年後にまだこのシリーズが続いているとは思っていなくて(笑)。もしも次巻を発売することができれば、私にとって初めての『五巻以上続いたシリーズ』になるので感慨深いです。自分自身を振り返ってみると、この一年で視聴する娯楽作品がコメディ寄りになったり、ギャグのネタや構成をメモに取るようになったりと、生活全てがギャグ小説を書くためのものに変わってきました。四巻も、笑って読んでいただけたなら嬉しいです。まだまだ勉強不足ですし、次巻発売までには少し間が開いてしまうのですが、もっとたくさん笑っていただけるよう全力を尽くしますので、どうか見捨てないでやってください。次の新刊予定は、10月の『ねこシス』になります。こちらもどうぞよろしくお願いいたします。

かーず:本日はありがとうございました。

(某月某日 アスキー・メディアワークス本社にて)

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「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 かーずSP・アキバBlogが名指しで登場

【関連リンク】 
伏見つかさ先生のブログ 「LUNAR LIGHT BLOG」
かんざきひろ先生のブログ 「tabgraphics_blog」
電撃文庫&電撃文庫MAGAZINE
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 公式サイト

取材・文:かーず(かーずSP
取材協力:ノトフ(はつゆきエンタテインメント

ここで『俺の妹』第四巻伏見つかさ先生サイン本プレゼント 

■受付メールアドレス:oreimo2@yahoo.co.jp
■受付期間:2009年8月7日(金)~2008年8月24日(月)
■ハンドル/ペンネーム (本名ではなく)
■メール件名に必ず「俺の妹サイン本希望」とお書きください
■お手数ですが、以下の質問にお答えください。

(1)今巻のラストでは、桐乃がああいうことになりました。そして、黒猫と京介の距離がちょっと近くなりました。次巻では、
<1>桐乃の話を読みたい。 <2>黒猫の話を読みたい。 <3>その他のキャラの話を読みたい。(キャラ名を明記してください)


(2)問1で、<2>を選んだ方に質問します。黒猫メインのストーリーになった場合、桐乃は登場しません。
<1>それでも構わない。 <2>なんとか登場させて欲しい。
 
(3)『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のキャラに声を付けるとしたら、どんな声優さんがいいですか?イメージやお名前などご自由にお書きください。

(4)『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』が実写ドラマになるとしたら、桐乃役は誰がいいですか?
<1>女優名やイメージをお書きください。 <2>誰になろうとも反対である。


(5)今回のアキバBlogインタビューのように、『俺の妹』がコラボするWEB企画があるとしたら、どんなものがあれば楽しいと思いますか? ご自由にお書きください。

■ほか、伏見つかさ先生、かんざきひろ先生への応援メッセージがあればお書きください。

・当選者への当選お知らせメール 8月下旬予定
・申込は1人1件まで。複数申込は無効。申込多数の場合抽選となります
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