パンツ型メガネ拭き 制作者インタビュー 「世の中が面白くなればいい」
株式会社クエスチョナーズ
2006年7月に設立され、美少女フィギュアや、チャンピオンREDいちご付録の「スク水ホルダー」や月刊メガストア付録の「パンツ型メガネ拭き」などの企画・制作。9月にはくそみそテクニック阿部さんをモチーフにした「もっこり抱き枕」を発売予定。
株式会社クエスチョナーズ 藤岡聡氏 パンツ型メガネ拭きの発案者 |
■3年間思い続けた パンツ型メガネ拭き
―― まずは、お疲れ様です。パンツ好評だったみたいで、凄いですね(棒読み)
藤岡さん(株式会社クエスチョナーズの社長で、パンツ型メガネ拭きの発案者。以下、藤岡):棒読みだー。凄いと思ってないでしょ(笑。
―― かなり流行りましたけど、予測はありましたか。
藤岡:それはありましたね。しかし、ありがたい話ですよ。あんなネタに乗ってきてくれて、作ってる方も楽しいですよね。
緒方さん(クエスチョナーズ唯一のオタク社員、以下緒方):ワンフェスのウチのブースでは、ショーケースについた指紋を拭いてくださいってパンツを置いてたら、お客さんも「あっ、このパンツを作っている会社なんだ」って反応がかなり多かったですね。
―― パンツで社名が広がるわけですね。
藤岡:今は「あのパンツの会社か!」と言われ、前まではスク水ホルダーの会社だと言われ。
―― あれより強烈ですよね。
藤岡:パンツ型メガネ拭きのアイディア自体はスク水ホルダーと同じくらいの時期からあって、色んな方に提案してたんです。構想だけなら3年間、僕が会社建てる前からあったんですけど、だれも受け止めてくれなくて。
―― そこまでやりたいという思いがあったのですか。
藤岡:やったら絶対に面白ろがってもらえると思ってたんです。なのに何でみんな、やるって言ってくれないんだろうって。知り合いは色んな所にいるので、そういう人達のところに、ウチはグッズ製作とかやりますよとかいう話をして、その流れでパンツの話をするんですけど、なかなか受け入れて貰えなくてね。一応面白いとは言って貰えるんですけど、会社としてウチはやりかねますって。
―― 結構生々しい商品でしたからね。
藤岡:でも今ってやれる事って大抵やっちゃっているので、そこを逸脱するしかないですよね。ただ結果的には、コアマガジンさんで取り扱って貰って、より世の中に広まってよかったと思います。コアマガジンさんも懐が深いっすよね。ほぼ二つ返事でしたから。
―― 制作が決まってから、どういった感じで制作をされたのですか。
藤岡:まずは100均にパンツ買いにいきましたね。何種類か女児パンツを買って、どの形が一番いいかっていうのを研究しました。これのここの部分は取り入れて、ここはこれで、とか。バランスを考えながら作りましたね。実際にモノを作るからには、めったなものを出したくないですから。
―― やっぱりパンツがお好きなんですか。
藤岡:全然そうじゃないですね。完全にネタです(笑)。
―― すっごいパンツに情熱がある方なのかと思ってました。
藤岡:残念ながらそういう事言い出すと、僕はほとんどモノに執着は無いんですよ。例えば、ここにあるお皿を見たときに、こうすれば面白くなるなっていうアイデアは思いつくんですけど、そこに愛着があるとか、そういう訳じゃないんですよ。ネタとして、こういう事をやりたい、っていうだけですね。
―― そのネタを思い続けて3年。
藤岡:そうですね。長かったです。
―― 3年も思い続ければ十分変態だと思いますけど。
藤岡:それは確かにね。否定しきれないところはありますね。
■東大とか関係無く、大学に7年もいるような人間は真人間じゃないよ。
―― それにしてもパンツを作った人が東大卒だというのは驚きでした。
藤岡:あー、東大卒って隠したくなるんですよ。大学名を言ってもあんまりいいことなくてですね。東大卒だから凄いって言われても、大抵の場合その凄いっていう言葉の実態がないんです。会社をやっていると、東大卒で社長ですごいねって言われるけど、何と比べて何が凄いのかって話なんですよね。
緒方:2chとかだと「東大卒業して何してんだ!」って書き込みとかありましたね。まぁ世の中の一般的な反応だと思いますよ。
藤岡:東大とか関係無いと思うんですけどね。
geek:でも東大卒だって知ったときは、コレはタイトルにしないとって思いましたね。意外性の意味で。
藤岡:ネタとして使う場合はいいですけど、それを本気にしちゃう人が居るんですよね。面白いことをやろうとしているのに、変なバイアスがかかって、面白くないモノになってしまう事とかがたまにあるわけですよ。例えば僕は大学卒業するのに7年かかっていて、そういうのが、東大生の中でだったら冗談になるんですけど、外で言うと「でも東大生なんでしょ」って、言われる。東大だろうが、他のどんな大学だろうが、7年もかけて卒業している奴が、真人間の訳がないんです。
―― そうですね。とか言うのも失礼な話ですけど、なるほど。
藤岡:そういうのを解ってくれる人間ならいいんですけど、そういう人が少ないので、東大出身です、と言いたくないんです。特にこの業界って学歴とか関係無いじゃないですか。東大生がフィギュア作ったからっていいものになるわけじゃないですし。
緒方:端からみていると、もっと力を抜いて、売りになるところは使えばいいと思うんですよ。例えば他の会社の人と話していてるときに、社長が東大卒って言うだけで信用度はあがりますからね。たとえエロいフィギュアを作っていても。
―― 7年もかけて、ご卒業ということですが、どんな学生時代でしたか。
藤岡:大学では駒場寮というかなり特殊な寮に入っていました。そこは大震災の後から立っている暗―い建物なんですけど、僕が入る2~3年前から大学側の立ち退き命令と戦っているような場所で、普通の東大生が入るような所じゃないんですね。本当に貧乏か、ちょっと頭がオカシイ人か、僕みたいな物好きかね。60年代の学生紛争の最後の残り火みたいな場所でした。
たまに学校の教授とかに、君たちはなんでこんなところに住み続けるんだ、とか言われながら住んでました。で、2004年にとうとう高裁で、立ち退きなさいと判決が出て、上告はしたんですけど、その前にガードマンと、トビのお兄ちゃん達が大挙してやってきて、僕たちは引きはがされてですね。それで寮がなくなったんです。
―― 寮が無くなってからは、どうしてたんですか。
藤岡:その後も僕は1人で暮らしていたことはほとんどないですね。元駒場寮の奴らがアパート借りて住むとか、一軒家と離れを借りて、20人くらいで住んだりとか。そういった、駒場寮が無くなって出来た共同体みたいなところがあったんで、そういうところに住んでました。そうそう、そこに住んでたときに「銭形金太郎」にでて、20万円もらいましたよ。あのときは本当にお金がなかったので嬉しかったですね(笑
でも、そういったみんなで集まったら面白い、みたいな感じで今も会社をやっているところはありますね。
■自分が作ったモノで世間の人を泣かすか、笑わすかしたいんです
―― 2006年に会社を立ち上げられてますが、それまではどういったことをなさってたのですか。
藤岡:僕が大学を卒業したのは2005年なんですけど、2004年は編集プロダクションに入っていました。そこでは最初の1年間は試用期間として月10万円で、1年経ったらちゃんとした給料を貰えるというシステムだったので、その一年間は安月給で24時間365日ひたすら働いてたんですね。それで1年経って、これからまともに給料貰えるってときに、この試用期間みたいなの辞めようぜって話を会社の人が始めやがって、この試用期間で月10万円だった一年間なんだったんだよ、とキレて辞めました。
―― 学生時代から編プロというのは、クリエイティブな仕事に興味があって?
藤岡:大学の頃は漫画を作りたいという思いがあったんです。それで編プロの後は名だたる出版社を受けてたんですけど全部落ちましてね。唯一、最終選考まで残った講談社は最終面接で「ここ最近で面白かった話をしてください」という質問に対して、その当時ちょっとイケナイ遊びをしていて、それでヤクザ屋さんと知り合いになったという話をしたら、場が凍り付いてですね(笑)ちなみにその年に最終面接で落ちたのは僕だけだったみたいです。受かっていれば今頃年収1千万くらいあって良い暮らしをしてたんでしょうね・・・
―― そりゃあ落ちますよね(笑
藤岡:でも、2005年にはD社に入社出来て。2年半居たのかな。入ってからはフィギュアとか漫画とかを作っている部署に入れて貰えたので、好き勝手やってました。それと一時期は人が居なくて、その部署の仕事を僕が1人でほとんど全部やってた頃があったんですね。そこで一通り、物作りから、売るところまで何をやらなきゃいけないかが全部解ったので、辞めても自分一人でできるなと思って独立しました。
―― その時って藤岡さんはお仕事は満足されてたんですか。
藤岡:いや、不満だらけですよ。そうじゃなきゃ辞めないでしょ。好きなことはかなりやってたんですけど、それでもパンツ型メガネ拭きはやらせて貰えなかったですし。それと何が一番許せないって、仕事をしない人間と同列に扱われるのが嫌だったんですよ。その辺の評価のルールは社長の基準で決められるんでしょうけど、D社のそういうことに関する基準が僕は気にくわなかったんですね。で、それが気にくわないなら自分でやるしかないでしょう。人様の会社で人様が作ったルールを気にくわないって言っててもどうしようもないので。
―― 漫画を作りたいという思いは今でもあるのですか。
藤岡:それも勿論あります。ただ今は、漫画には限らなくて、なにか面白いモノを作って、世界中の人間が脈々と触れ続けるモノを作りたいと思ってます。ようするにジブリのようなものですよね。パンツ作っていうことじゃないですけど(笑。自分が作ったモノで世間の人を泣かすか、笑わすかしたいんです。形も媒体も何でもいいので。
―― そういった意味ではパンツの手応えは如何ですか。
藤岡:かなりいいですよね。ちゃんと自分が届けたいと思った人に対して、届けたいと思った方法で届いて、尚かつ面白い反応も返ってきたし、キモイとか言っている人もいますけど、それも含めてかなり満足な出来ですね。悪評も評判のうちなので、悪口も言って貰えないと悲しいですよ。
■もっと世の中が面白くなって欲しい。
―― 周りから見て、藤岡さんはどんな方ですか。
緒方:とにかく何でも自分でやらなきゃ気が済まない人ですね。楽をしたい、とは言うんですよ。みんなが面白い企画をどんどん立ち上げてくれれば僕は何もしなくてもいいって。でも、企画を作って持って行くと、面白いねーっていいながら、その瞬間から自分で動く気満々なんですよね。なので僕たちの仕事は社長に興味があることを作ることですね。
―― 企画はみんなでそれぞれ考えて持ち寄る感じですか。
緒方:基本的に会話をしながら良いアイデアを拾っていって、藤岡の蓄積していたネタとすりあわせて作る感じですかね。
藤岡:企画を進める基準は、僕は自分の事を凡人だと思っているので、僕が面白いと思えば、世の中の人も大抵は面白いと思うでしょっと考えているところがあります。下手にとんがっている人が面白いと思っても、一部の人だけ喜んで、他の人は喜ばないみたいな、そうなっちゃあどうしようもないですよね。
―― 今はネットでのアマチュアの創作文化って活発ですけど、その辺りは如何ですか。
藤岡:見てますよ。やっぱり自由な分、面白い人は多いですよね。みんなそうやってどんどんやればいんですよ。今僕が一番やりたいのは、ファンドを作ってそういう面白い人にお金を突っ込むことです。これまでのコンテンツビジネスとかって、何かしらの保証がついた人たちにだけにお金を突っんできたと思うんですよね。でもネットが発達して来たことによって、だれかが面白い事をやろうとしてるからファンドを作ってみんなでパトロンになってやろうぜみたいな事が出来れば面白いですよね。
僕は、本当はウチの会社がどうこうっていうよりは、面白いモノを作る人が増えて欲しいんです。もっと世の中を面白くして欲しいんです。自分じゃなくても他の人がやってくれるなら、それでもいいんです。誰かがパンツを作ってくれるなら、僕は自分で作らなくてもいい。自分で作らないで、人が作ってくれて、面白いなあワハハって見てる方が楽じゃないですか。パンツだけじゃ生きていけないしね(笑)。
取材・文:ノトフ(はつゆきエンタテインメント)
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株式会社クエスチョナーズ
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