「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」9巻発売記念 伏見つかさ先生インタビュー 後編

■「俺の妹○○○○○」、早くも続編が発売決定!!
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「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」9巻発売記念インタビュー 伏見つかさ先生と、担当編集の三木一馬さん、小原一哲さん |
―――後編はこの方がゲストでいらっしゃいました。
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二見鷹介(バンダイナムコゲームス『俺の妹 ポータブル』プロデューサー、以下二見):バンダイナムコゲームスの「俺の妹 ポータブル」プロデューサー、二見です。
三木一馬さん(アスキー・メディアワークス 電撃文庫副編集長 『俺の妹』担当編集。以下、三木):い、いったい、なんの発表に来たんでしょうか……!?
伏見つかさ先生(以下、伏見):この人呼んだらわかるよ!(笑)
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「俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブルが続くわけがない」 制作決定! |
(一同拍手)
二見:タイトルが『俺の妹がこんなに可愛いわけがないポータブルが続くわけがない』です。前作の評判がおかげ様で滅茶苦茶よかったんですよ、うん千人くらい(万に井近いです。)のユーザーさんから回答を頂きまして。(アンケートの分厚い資料を見せる)
小原一哲(アスキー・メディアワークス 電撃文庫『俺の妹』担当編集。以下、小原):うちのアンケートでもそんなに帰ってこないんじゃ。
二見:で、アンケートの話でちょっと自慢になっちゃうんですけど……。
三木:きましたね、バンナムさん社内でも噂の天狗モードが……!
二見:いやいや〜(嬉しそうに) 色々なタイトルでユーザーさんからアンケートを取らせて頂いているんですが、『俺の妹 ポータブル』は総合評価でTOP5ぐらいの上位だったんですよ!
(一同拍手)
―――ユーザー満足度が高かったと言うことでしょうか?
二見:かなり高く評価して頂きました、「あやせたんかわいい」とか「あやせたんハァハァ」とか、ほんと多いんですよ!伏見先生と三木さんと小原さんにはシナリオをたくさん監修して頂いたので、ありがたいです。
伏見:私も嬉しいです。あの時はアニメや原作その他の仕事と重なってて大変だったんですけど、やってよかったです。
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メインビジュアルは桐乃と黒猫 原画:川上哲也、監修:かんざきひろ、仕上げ:末永康子 |
二見:実はこのメインビジュアル。『俺の妹 ポータブル2』まで大きいことはできないかも知れないけど、『1.5』がいいなぁという話で最初にOKを頂いて、描き下ろしてもらったんですが、その後に伏見先生・三木さんとプロットの話をさせて頂いた時に「もうこれ“1.5”じゃねぇな」と。ほぼ『2』に近い、ボリューム的には『1.8』くらいなんですが、もう『1.5』ってビジュアルを作ってしまって、これを初出にしてしまうんですけど(笑)
伏見:じゃあこれは桐乃が『1』で黒猫が『5』を表現していたんですね。
二見:はい。厳密に『2』と言ってしまうとたぶん怒られるボリュームなのですが、ヒロインのメインルートは全員分あります。前作も作り直ししているので作業量は2作分です!
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ヒロインのメインルートは全員分あります |
二見:ここでは見せられないのですが、新規のCGを見るとエッチなゲームチックなんですよね(笑)。完全にゲームのエピソードの続きで、雰囲気としては付き合った後みたいな、『俺の妹ポータブル』のどこかのルートから飛ぶような雰囲気になっていますし、『1』も全部入っています。限定版は多分作りませんが、『1』と続編がセットで入っています。『1』の方もリファインして、ビジュアルも修正したり、京介のセリフも心の声は全然喋ってなかったんですけど、4000ボイスくらい新規で録ってます。
―――難易度的にはいかがですか?
二見:『1.8』は今回、かなり優しいゲームになる予定です。『1』は難しいというご意見もいただきましたので、『1』も調整して難易度を落とせればと思っています。『1』のセーブデータを持っているとプラスアルファの要素が隠されていまして、前作をプレイしていただいた方も楽しめるおまけを用意しますので、消さないで持っていた方がお得感があります。 前作がユーザーさんに盛り上がっていただいたので、今回は僕の恩返し的な意味もあって「楽しくやれればいいじゃん、やるなら“1”もリファインして入れちゃえばいいじゃん!」というノリです(`・ω・´)キリッ
高橋ゆま氏(アニプレックス『俺の妹』宣伝担当):これが勝ち組ってやつか……。
三木:ただの天狗じゃないってことです。上位互換のカラス天狗ってことですよ……!!
二見:そんな名声いりません(笑)!
三木:いやでも、二見さんの作品へのギリギリまで追求する姿勢は本当に凄くて、伏見さんがよりよい要望を「“できれば”でいいですよ」って言っても、絶対やろうとするんですよ。それはお金も手間もかかるんですが、ギリギリまで寝ないで頑張ってくれるからこの結果になっているのだと思います。
伏見:作品にとってはとてもありがたいんですけど、僕は二見さんのご家庭が心配です。
(一同笑い)
二見:多分家族も生温かい目で見守っていてくれていると僕は信じています。 『1』の続きと言うことで、各キャラクターの好感度が上がった後なのでかなり甘い感じのお付き合いになっています、伏見先生の欲望も含めて(笑)
伏見:私のせいにされてる!(笑) いや、違うんですよ。最初の企画書に『今回のコンセプトは”いちゃラブです”』って書いてあったんですが、上がってきたものが割とシリアスだったので「もっとキスさせましょう!」とか「エロゲっぽいシーン作ろうぜ!」とか「結婚したら二人の子供も出さないとだめっすよ!」とか、色々要望を言っていった結果、本来の企画のコンセプト通りになったんです。
―――今回も伏見先生の書き下ろしシナリオがありますか?
二見:……あります! 書いて頂いてます!(笑)
伏見:まだ書いている途中ですが、すでに前作の文章量を凌駕しました。二見さんが先ほど『俺の妹P1.8』と喩えましたが、原作者の作業量も1.8倍です(笑)
二見:伏見先生が初出用に「こういうシチュエーションがいいです」というコンテを頂きCGを起こした後、シナリオが上がってきて「こういう事だったのか!」というように、先生の提案がガッツリ入っています。赤城瀬菜もルートあります!
さらにインタビュー前編にもあったClariSさんの『nexus』をゲームの新しいオープニングソングとして使わせていただくという事も決まっていまして、映像は15日から始まる東京ゲームショウで見られますよ! 情報は随時更新していくので、続編も是非宜しくお願いします!!
■「俺の妹」9巻は、いろんなキャラの視点で楽しめる特別編!
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「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」9巻 ピンナップイラスト |
―――9巻は特別編で、いろんなキャラクターの視点になっています。初期の頃から京介の一人称視点でしたが、ここで特別編を出された理由は?
伏見:京介視点で使えないネタがたくさん溜まっていたので、いつか書きたいなあと前々から思っていたんです。個人的にはまだやり足りないので、いつかまた特別編をやれたらいいですね。
三木:今回の特別編は、楽屋裏のエピソード集のようなものなので、表舞台が物凄く盛り上がってる時ほど裏が面白くなるんですよ。今、アニメも盛り上がって、原作も盛り上がったこのタイミングは、良い感じでみなさんに提供できたんじゃないのかなと思います。
伏見:メインエピソードの裏で面白い事が起こっているのに、時系列的には進んでしまっていて書けない事がたくさん増えてきていたので、それを皆さんにお披露目するのはアリなんじゃないかなって感じですね。
―――沙織の過去回なんかはそうでしたね。
伏見:沙織のエピソードは2巻や3巻の頃からボヤッとあったんですけど、書く機会はないと思っていたので書けて良かったです。いくつかの伏線についても回収できたので、ホッとしました。アニメ効果で『6巻から読み始めました』という方もいらっしゃるようなので、この機会に既刊も読んでいただけたら嬉しいです。
―――インタビュー前編でも触れましたが、作中でClariSさんが登場しています。どこまで実際のClariSさんに近いのか気になります。
三木:桐乃との対談の付き添いで、伏見さんと一緒に北海道に行った時に色々会話をさせていただいて、ClariSさんの人となりを踏まえた上で創作してもらいました。
外村氏(ソニー・ミュージックエンタテインメント、ClariS担当。以下、外村):あくまでフィクションの中でのClariSという存在だと思っているので、実存のClariSのエッセンスが入っていれば自由に遊んじゃってくださいというお話はさせていただきました。なのでベースになっている部分もあれば、広げていただいた部分もありという感じで、ClariSのある一面のイメージを広げていただくコラボにはなっていると思います。僕は三木さんと話をして一個だけNGを言ったのは、エロゲーはさせないでくださいとお願いしました(笑)
(一同笑い)
三木:逆に言うとそれだけで、原稿を渡して一発オッケーで「えええっ!?」って。
―――例のシーンですね。
外村:本人たちもあのシーンもキャッキャ言って面白がっていて、小説に出られるという事に彼女たちは喜んでいました。9巻の推薦文も書かせていただいたんですが、本人たちは乗り気でいくつか書いてきたくらいです。
三木:今回は、その未公開コメントもClariSさんのご好意で、ここに掲載します!
〜ClariSさん未公開コメント〜
・かなかなちゃんやブリジットちゃん、みんなに会えて感激です♥
・京介さん、赤城さん…学校で戦わなくても…
・兄弟はやっぱり似てる所が有るんだなぁ…(´ω`)
・沙織さんの性格はあの方からなんですね(´∇`)ゞ
―――お人柄の良さとか、ピュアな女子中学生の感じが出ていますね。
伏見:お二人とも凄く良い子で礼儀正しくて、どうやって京介を殴ってもらおうかという問題に悩みました。率直に「どういう時に怒りますか?」と伺ってもみたのですが、「怒りません」というお答えを頂きました(笑)。
外村:地域性もあるのかもしれないんですけど、ClariSの二人は北海道に住んでいるので、僕らが東京で接している中学生くらいの女の子とはまったくと言っていいほど時間軸が違うのかなというくらい、もう素朴ですね。
伏見:実際のアリスさんは膝蹴りとかしません。
(一同笑い)
―――その他9巻で細かい点をいくつかお訊きしたいのですが、黒猫は貧乏なのに、友人がいない頃からケータイを持っているのはどうしてでしょうか?
伏見:黒猫は貧乏じゃないとずっと言っているんですけど、誰も信じてくれないんですよ。
―――野沢菜のおにぎりやアニメで登場した一軒家とか、同人誌作りの時に『お金に余裕はないのよ』みたいな発言も前にありましたので。
伏見:どちらかというと、あそこはしっかり者という一面を出すために書いていて、アニメのスタッフさんにも普通にお伝えしたんですけど、思いのほか貧乏っぽく描かれていて、アニメの功罪といいますか……倉田英之(アニメ「俺の妹」シリーズ構成・脚本)さんに『びんちょうタンっぽくしようぜ』と言ったのは私ですけど。
―――すべてのきっかけはそこからだと思います(笑)
伏見:あれは、健気さを演出するための例えだったんですけど(笑)
―――前回のインタビューで『塗りつぶされて消された記述は9巻22ページあたりを読んでください』とありましたが……。
三木:ズレちゃってますね……前回確かに、後で確認してそこに合わせようって言ってたんですが残念ながら……。
―――乙女ロードに行く話もインパクトありました。
伏見:アニメの打ち上げの時にBL同人誌をいただいて楽しく読ませていただいたのと、pixivでも『俺の妹』でBLがありまして、「男が足りないのにどうするつもりだろう」と思っていたところ、桐乃が男になっていてビックリしました。『そう来たか!』と大変感動しましてネタにさせていただきました。原作で取り上げてしまうと、女子の方は逆に萎えちゃうんじゃないかという不安はあるんですけど、面白いネタだったので使わせていただきました。
―――痛チャリの京介は、今回上がった株を台無しにしているような……。
三木:ちょ、ま……! あそこ、めっちゃくちゃかっこいいじゃないですか!? 京介は上条当麻(「とある魔術の禁書目録」の主人公)みたいにヒーロー的に解決するのではなく、端から見るとむちゃくちゃかっこ悪いのに、救われてる人にとってはめっちゃ頑張ってるように見えるのが京介だと思うんですよ。
―――なるほど。
三木:京介は周りのことを意識しないで頑張る視野の狭い人なので、助けたい子を救おうと思ったらなりふり構ってられない。それは結果的に端から見ると不細工に映るんです。でも当事者、桐乃にとっては嬉しい行動のはずで、きっと夜は「思いだしニヤニヤ」してますよ……!
―――ClariSさんとのコラボやゲームの続編など話題が尽きませんが、まだ色々あるんですよね?
三木:はい、千葉マツダさんともう一回コラボします。桐乃のモデルプロジェクトの一環として今度は京介が出ます。新聞折り込みなので、もしかしたらもうご覧になった方もいるかもしれませんね。
伏見:実は前回、親父も千葉マツダさんでモデルデビューしているんです。桐乃が広告に出たのは凄い話題になったんですけど、親父は話題にならなかった……。
三木:そのあたりは、後日行う電撃文庫イベント、マチアソビイベントでの『モデル報告』パートでご紹介できればと思います。
小原:まだまだ、公式ホームページにてモデル募集しておりますので、よろしくお願いいたします!
三木:他には、電撃のあらゆる雑誌に電撃文庫のキャラクターが登場する、という『表紙ジャック』がコンセプトの電撃文庫 ぶっちぎり!メディアジャック!!フェアというのがありまして、『俺の妹』もフィギュアマニアックス乙女組44号の表紙をジャックします!ついに京介が上条さん以来、電撃文庫の男キャラでフィギュアになります!『フィギュアマニアックス』で通販してますので、ちょうど「神猫figma」に合う大きさで作ってあるので、デートを再現できる形になってます。
―――その神猫figmaの進捗はいかがですか?
三木:こちらの電撃屋通販ページ「figma 黒猫 "聖天使神猫"ver.」で予約が開始されています。おかげさまでかなり注文が入っているそうで、二月の中旬にお届け予定になっています。マックスファクトリーさんクオリティによって、ディスティニーレコードも完全再現!!
伏見:ディスティニーレコードの『慟哭の絵』が見開きになっていますね。
三木:原作の設定では片側だけだったんですけど、その方がインパクトあるかなって(笑)
―――電撃G's magazineでいけださくら先生のコミック『俺の後輩がこんなに可愛いわけがない』も連載開始されています。
小原:こちらも原作で書けなかった伏見さんのアイデアをかなり盛り込んでいます。黒猫の視点から、彼女がどうしてこういう行動を取るに至ったのかも含めてガッツリ描いているので、楽しみにしてほしいです。コミックオリジナルのお話もありますので、驚きも含めて楽しんでいただけるかなと。
―――では『俺の妹』ファンはすべてチェックということで。本日はありがとうございました。
インタビュアー・構成:かーず(かーずSP)、平和(平和の温故知新@はてな)
協力:ノトフ(ノトフのブログZ)
ここで「俺の妹」新刊発売記念
伏見つかさ先生サイン入りグッズプレゼント
■受付メールアドレス:oreimo2@gmail.com
■受付期間:2011年9月7日(水)〜2011年9月20日(火)
■ハンドル/ペンネーム (本名ではなく)
■メール件名に必ず「俺の妹サイン入りグッズ希望」とお書きください
■アニメ&原作の「俺の妹」に期待することがあれば教えてください
■ほか、伏見つかさ先生、かんざきひろ先生への応援メッセージがあればお書きください
・当選者への当選お知らせメール 9月末頃予定
・申込は1人1件まで。複数申込は無効。申込多数の場合抽選となります
・当選発表は、当選者への当選お知らせメールをもってかえさせていただきます
・当選お知らせメールの際、お届け先とお名前をご返信ください
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重版再入荷 初版よりもタクサン → また売り切れ
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 売り切れてる
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【関連リンク】
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 公式サイト
俺の妹がこんなに可愛いわけがない - Wikipedia
伏見つかさ氏のブログ 「LUNAR LIGHT BLOG」
かんざきひろ氏のブログ 「tabgraphics_blog」
ClariS | Official Site