2011年12月01日

【コラム・ネタ・お知らせ】 VA流ライブの作り方、お教えします。

VA流ライブの作り方、お教えします。 今日もアニソンやゲーソンを聞きまくっているvavaしゃちょーです。さて今回は、一部からリクエストのあったVA流ライブの作り方について、ご説明いたしましょう! 他の会社がどのようにやっているかはまーったく知りません。あくまでも、VA流です!!


ぬおおっ! ついにけいおんの劇場版が始まる!

映画けいおん!公式ホームページ

…。
……。
誰か50過ぎのオッサンと一緒に見に行かないか?
それとも50過ぎのオッサンが一人で劇場に行っても、変質者と思わないでくれる?
ええいっ! オッサンオッサン言うな!(笑)

アキバBlogをご覧のみなさんコンニチワ!
今年もクリスマスが怖いvavaしゃちょーと申します(笑)

年末も年始もアニメソングで盛り上がり、ライブで汗を流して素晴らしい歌声に訊き惚れる。

いやーライブっていいもんですね!

今回は一部からリクエストのあったVA流ライブの作り方について、ご説明いたしましょう!(ホントにこんなのに需要あるのかね???)

この一体感を見よ!KSLの醍醐味はアーティストさんと皆さんの一体感なのだ!

第1回 / 第2回 / 第3回 / 第4回 / 第5回 / 第6回 / 第7回 / 第8回 / 第9回
第10回 / 第11回 / 第12回 / 第13回 / 第14回 / 第15回

最速ビジュアルアンテナ
馬場社長ツイッターはこちら



◆VA流ライブの作り方

以下はあくまで私流なので、他の会社がどうやっているかはゼンゼン知らない(笑) そのつもりでご覧くだしあ^^

さてさて。
もしもアナタがライブをやってみたい(運営してみたい)と思ったら?

はい! どんどん行ってみましょう!


(1) おおまかな内容を考える。

まずは日程、動員人数(規模)、場所(ライブ会場)
例えばゲーム曲を中心に大晦日に2000人規模のライブを東京近辺でやりたい、とかそんな感じ。その過程でハコ(会場)をどこにするか、候補を複数ピックアップする。


(2) ハコを抑える

とにかくハコを抑えないと始まらない!
後述する制作会社さんを通してお願いしてもいいし、自分で企画書とか作って提出してもいい。
安心なのは、その会場と仲のいい制作会社さんに頼むことだ。そうすれば多少無理な日程でもちゃんと確保してくれたりする。

ここで注意すべきはハコが公言している収容人数。
なぜか会場の公式収容人数はいつもぎゅうぎゅう詰め状態を謳っているので、1割ぐらいは余裕を見ておく方が安全のためにもよい。
もちろん集客能力と相談して無理のない容量の会場を選ぶようにするわけだ。

全国コンサート会場座席表一覧


(3) ライブ制作会社さんを決定

大きなライブを全部自分でやるのは大変!
だから普通はライブ制作会社を頼むことになる。
現地イベンターさんとの調整、会場とのやりとり、リハーサルスタジオの選定、舞台監督、音響、照明、大道具やはてはグッズ販売のスタッフ派遣会社や出演者の移動まで、いろんな手配をやってくれる。
もちろん経費はかかるけどねw


(4) セットリストを作る

これが一番重要。これが全てと言ってもいい。
誰をお呼びして何を唄ってもらうか。どこかの時点でこれを済まさないと、なにも進まない。
逆にこれさえ決定すれば下記の全てが決まっていく。出演いただくアーティストさんや、ゲストさんなども自ずと決まる。

KSL Live World 2010 way to the Kud-Wafter セットリスト
01. 鈴田美夜子 『One's Future』
02. 民安ともえ 『猫と硝子と円い月』
( 鈴の密かな恋の歌 )
( Mission:Love sniper )
03. すずきけいこ 『raison』
04. Rita 『alicemagic RockStar.ver』
05. Rita 『LB jumper.ver』
06. eufonius 『メグメル』
07. eufonius 『オーバー』
08. 茶太 『影二つ Mintjam.ver』
09. Lia 『Light colors』
10. Lia 『Birthday song requiem』
( hanabi )
( Farewell Song )
11. Lia 『Karma』
12. 多田 葵 『Brave Song』
13. LiSA 『Crow Song』
14. LiSA 『Thousand Enemies』
15. LiSA 『Alchemy』
16. marina 『My Song』
17. 麻枝 准 『Highest Life』
18. Lia 『時を刻む唄』
19. Lia 『My Soul,Your Beats!』
アンコール1. Lia 『鳥の詩』
アンコール2. 茶太 『だんご大家族』
アンコール3. 鈴田美夜子 『One's Future』


この圧倒的な会場。やっぱり横アリでやりたい!


(5) 演出を考える

照明、音響、撮影、特効などを駆使して観る人に満足してもらえるよう知恵を絞る。
アーティストさんが一人だったり、少ない場合はここに凝らないと飽きられてしまう。いろんなライブの映像を見たり実際に見に行ったり、勉強しておくことも重要だ。

VAライブでは最初にオリジナル動画を制作して流すけど、それも演出のひとつだよね。

特効の会社 酸京クラウドさん





(6) 収益モデルのシミュレーション

本当は最初にやらなきゃいけないのかもしれないけど、ウチの場合はいつも最後(笑)

だいたいライブなんてものはチケット売り上げでは黒字にはならないものなので、いっそユーザーサービスと割り切った方がいい(笑)

とはいうものの、ライブ単体であまり赤字を出してしまうとその他の収益(グッズや映像商品販売)にも影響が出るので、できるだけ正確にシミュレーションしておく。

<仮に2000名ライブの1例>

◇収入◇
チケット売り上げ 7500円×2000人×0.95(手数料など)=1425万
  
◇支出◇
会場および付帯設備 300万
アルバイト、販売員、警備 150万
食事・交通費その他 100万
イベンター・
制作会社手数料
250万
リハーサル代 50万
照明 100万
音響 200万
映像・特効 200万
ミュージシャン・
アーティスト経費
200万
その他 100万
支出合計1650万
 
◇収支◇
−225万 orz


さあ、これでアナタもライブが打てるよヤッホーー!(ちょっぴり損はするけどね(爆))*1

KSL Live world 2010のステージ!
クド旋風を起こしたライブだった!


◆アーティストさんへのリスペクト

ここで大事なことをひとつ。我々運営側が絶対に忘れちゃいけなことがある。
それはアーティストさんをリスペクトしつつ、制作を行わないといけないってことだ。
ライブは人間が作る。中でもアーティストさんやミュージシャンがいなければなにも始まらない。彼らのパフォーマンスがいいものになるかどうかは、ひとえに彼らのモチベーションにかかっているんだから。

そういえば以前こんなことがあった。あるライブでアーティストさんからクレーム。よくお話しを訊いてみると台本上そのアーティストさんだけMCがないとのこと。確かめてみると構成上確かにそうなっていた。

アーティストさんは表現者だから歌だけ歌って黙って引っ込めないよ、と言うのは当然のクレームだ。慌てて台本の訂正を指示して謝罪した。

悪気はなかったとは言うものの、こんな事では主催者としては配慮が足りないと言われても仕方ない。いい勉強をさせていただいたと思う。


◆みなさんへのお願い

それから、これはみなさんへのお願いなんだけど……。

これも実際にあった事案(というよりよくあること)なのだが、当社のライブではモッシュやクラウド・サーフィング(いわゆるダイブ)を禁止している。

にも拘わらず、時々それを無視してワザワザ身体を必要以上に他人にもたれさせたり、手を振り回したりと、危険だったり、周りの方に非常に迷惑な行為をしたがる人がいるのだ。

モッシュ(wikipedia) 
クラウド・サーフィング(Wikipedia)

マジで危ない。

上から見てるとホントにたった一人のために、会場全体が危険に陥っているのがよくわかる。その上、周りとのトラブルにもなりやすいのだ。

こうした行為が見つかった場合、演奏を止めてでもその人には出て行っていただく。
言うまでもなく、こうしたイベントで最優先すべきはみなさんの安全ですから。

*1
あとはグッズの売り上げと映像商品で利益確保を図るわけだが、もしもチケットが半分しか売れず、したがってグッズが予定の半分しか売れず、映像商品も目標の半分しか売れないとなると、当然だがライブはもっと大赤字になって大失敗になる。

補記
前回では詳しく言えなかったんだけど、みなさん待望のアイブさんのコミケ商品の内容が固まった。実は今年はいろいろお忙しくて出品も危うかったのだけど、高瀬さんはじめスタッフのみなさんのご尽力でいい商品がご用意いただけるみたい。乞うご期待!

補記2
毎年売り切れのpanoramaシリーズ。今年は久しぶりにまごめちんのニューアレンジ曲が入ることになった。他にもアダルトコンテンポラリー感あふれる「My_Soul_Your_Beats!_Remix」(Angel Beats!)など、話題の楽曲がずらり。

補記3
先日の京大講演での質問「はじめての萌えキャラは?」について思い出したことがある。
そういや私がまだ子供のころ、石ノ森章太郎先生の「サイボーグ009」を見て、003のフランソワーズに恋心を抱いたことがあったっけ。すっかり忘れてた(笑)

補記4
んでKSLライブなわけですよ。今回はなんせVA20周年イベントだしいいものお届けしたい。今はじっくり時間かけて(4)かな?



■ 京都大学アニメーション同好会さんのお招きで馬場社長が講演を行いました!

アニ同さん手作りの看板だそうです。

スタッフさん頑張っておられました!

観客もたくさんでびっくり!リトバス人気でしょうか?(笑)

最初は自己紹介と会社紹介からスタート!

それにしてもこのvavaしゃちょー……

ノリノリである(笑)

むしろ本人が一番楽しんでいたような……w

Rewriteの絵コンテ動画も再生されてたよ!

講演後にはサインなども喜んでされてました!

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