2012年01月16日

パパのいうことを聞きなさい!SS 第六回「何事も形から?」

パパのいうことを聞きなさい 皆様、おはようございます。松智洋です。昨日15日は「パパ聞き!」DAYでした。アニメイト秋葉原店のイベント、そしてニコ生放送をご観覧くださった皆様、ご来場くださった皆様、ありがとうございました。そして明日は最速地域で第二話が放送される予定です。沢山の方に楽しんで頂ける事を祈ります。SS第六回は『何事も形から?』です。


この連載も六回目、連続掲載はあと一回になります。以降は、基本的に最速放送日の翌日水曜日に更新していくつもりです。

アキバBlog様での連載自体はアニメ終了まで続けさせて頂く予定です。また、コミックスの発売日に併せてなど、イベントあわせでは臨時の更新なども、可能であれば管理人様にお願いしてやっていきたいと思っております。

正直、予想よりスケジュール的には厳しい展開になっておりまして、宣伝のSSを書いていたら本編を遅らせてしまう、などという間抜けな自体にもなりかねない状況でして、ペースは落としつつ、クオリティは落とさずに頑張っていきたいと思います。

さて、昨日はパパの言うことを聞きなさい!のイベントがふたつもありまして、ご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。一日中イベントを頑張ってくれた三姉妹、上坂さん、喜多村さん、五十嵐さんにも感謝しています。 おかげさまで、両方のイベント共に大盛況だったということです。 アニメを含め、認知して頂けているのがとても嬉しいです。

もともと原稿の進捗的に両方のイベントには参加できないので、夜のニコニコ生放送は現場までお邪魔するつもりだったのですが、残念ながら進行が思わしくなく、webでの参加になりました。しかも担当から「コメントしてる時間があったら原稿を書いてくださいね」と念を押されてまして、その旨を了解した上での鑑賞でした。 が、始まってみるともう三人の掛け合いがとても面白くて、ニコ生はどうしても見られない方もいるよなー、と思うといても立ってもいられずにtwitterで実況してしまいました。

……結果、初めて連投しすぎて「投稿規制」に引っかかりまして、ニコ生放送が終わった途端、書き込めなくなると言う見事なオチをつけてしまいました。

そしてこってりと担当さんに絞られまして、本日夜よりカンヅメにされることが決定致しました(涙)
まあ、正直いって時間の問題ではあったので仕方ないのですが……
一応、あと一回だからということでこの連続掲載は明日まではやらせて頂けるそうなので、少しホッとしています。今夜からは、再び文庫の原稿に集中したいと思います。

そういう訳で、もう少しおつきあいください。
本日は、ゲーム版のご紹介をしたいと思います。

◇告知「ゲームでもパパのいうことを聞きなさい!限定版」について

アニメ放送を見て頂いた方はご覧になっていると思いますが、『パパのいうことを聞きなさい!』はPSPでのゲーム化が決定しています。 内容等は、リンクが貼られているゲーム版の公式HPをご覧ください。

結構、ゲームは情報の初出等は厳しく管理されているものなので勝手にここに書くわけにはいかないのですが、僕もシナリオに参加させて頂いています。頑張っていますので、ぜひ遊んで欲しいと思います。ただ、実は一昨日、ゲームプロデューサーの水俣氏から、こんな話を聞きまして…… 「ひなの等身大クッションなどが付く限定版は、本当に豪華特典を厳しい予算で作ってるので、再生産もちろん、余分な出荷も最低限しかできない」 のだそうです。

まあ、確かにあの値段であのグッズだと相当頑張ってる感じはありますよね。だって値段設定が先にあったんですよ。パパだから8800円。とても愛を感じる値段ですよね。でも無茶しすぎですよプロデューサー……ありがとうございます。なので、あまり余分に生産できないので予約しないと手に入らない確率が結構高いのだそうです。

そういう事情がありまして、なるべくお早めの予約をお勧めしてください、というご要望がありましたので、ここで改めて告知させて頂きます。店頭でも絶賛予約受付中ですし、アマゾン様等でもお買い求め頂けます。 何とぞ、宜しくお願い致します。


◇キャラクター紹介 「瀬川祐太」

主人公:瀬川祐太 特別な取り柄もない、普通の大学一年生
アニメ公式サイト・キャラクター紹介

本編の主人公なのに、紹介が五番目に回されるという不遇の青年、瀬川祐太です(笑)これといった特技もなく、女の子にも大してもてたことのない普通の大学一年生。 だけど真面目で一生懸命、そして思い込んだら諦めない不屈さが彼の長所と言えるでしょう。

両親を幼い頃に亡くし、それから姉と中学まで二人暮らしをした後に高校に入るタイミングで姉の結婚に遭遇し、反抗心と遠慮から家の近くで寮暮らしを経て現在は晴れてひとり暮らしを始めたばかりです。今までと違う開放感にサークル活動にバイトに頑張っているところです。

大学に入って一目惚れ状態になった莱香に現在片思い中。 そして大学生になったなりに家族との関係を再構築すべく、祐理の気持ちをくみ取って三姉妹と再会し、新たな関係を築こうとしているのですが……この先に待ち受けている運命は、彼に一足飛びの成長を求めます。 とはいえ、普通の大学生である祐太にとってはすべてが初めてであり、試行錯誤の連続です。 だけど、空、美羽、ひなと共に、まっすぐな姿勢で素直に成長していく、そういう人物だからこそ得られる周囲の支えもあって、これからのトラブルに立ち向かっていくのでした。

ちなみに、声を当てておられる羽多野さんですが、オーディションの時と実際の収録時、かなり演技を変えてこられました。判りやすく言ってしまえば、放送された版の方が「かっこいい」といいますか「ヘタレっぽくない」演技になっています。 第一話の収録の時、僕やプロデューサー陣は「これでいいのか?」と一瞬、相談した瞬間がありました。なんというか、上手く言えないのですが「ラノベ系の主人公っぽくない」と、思ったのだと思います。でも、監督たちの「祐太は、普通の大学生だからこれでいいのでは」と仰ったので、今の演技で決まりました。

思えば、主役に決まってから羽多野さんが原作を読み込んで、こういう人物だ、と考えて演じてくださっていたのです。回が進む毎に「ああ、羽多野さんでよかった」と思う祐太になっています。ぜひ、これからの祐太の成長を見守ってあげてください。


◇SS第六話 「何事も形から?」

「いってらっしゃい、お兄ちゃん」
「いってきます」
 空に見送られ、祐太は駆け足で出て行った。今日はバイト……というか、今日もバイトの日だ。
 池袋の家に戻ってずいぶんたつ。八王子の六畳一間時代に比べると、色々生活は楽になってるはずなのだけど、パパ意識の高い彼は仕事を減らす様子を見せない。
「そのうち倒れちゃいそうで心配なのに、お兄ちゃんのバカ」
「それを叔父さんの前でも素直に言ったらいいのに、お姉ちゃん」
「きゃっ、美羽!?」
 寝てしてしまったひなに付き添って、上の部屋にいたはずだが、いつの間にか降りてきていたらしい。
「ひな、よく寝てるから、しばらく起きてこないと思うなー。あたしも月曜日提出の宿題があるからお昼まで部屋にいるね」
「うん、わかった」
 頷きながら、空はこれからどうしようかと考える。
 宿題は済ませているし、お昼はオムライスにする予定なので下ごしらえをするほどでもない。
 休日の午前中というのに、時間が余ってしまった。
「うーん、もうちょっと掃除でもしようかなぁ」
 朝には掃除機をかけたし、片付けはいつもしている。
 でも窓ふきとか、まだいろいろと出来ることはある。
 バイトから疲れて帰ってきた祐太が綺麗にした部屋で、ちょっとでもより心地よく過ごしてくれたら……
「嬉しいなぁ」
 そんなこと思う。
 ……よし、決めた。
「美羽ー、わたしリビングの掃除をするからー」
 上の部屋に向かって宣言をしておく。
 さっさと用意にかかろう。
 心の中で腕まくりをした。

「だから、美羽! 普通に掃除するだけだから!」
「わかってないなー、お姉ちゃんは。形からはいるのは大事なんだよ?」
「だからって……!」
 下手に宣言したのが間違いだった。空は軽い後悔に襲われていた。
「ほら、こっち。こっちのメイド服の方が絶対にいいから」
「掃除するのに邪魔じゃない!」
 さっきの発言のあと、なぜか部屋から出てきたしまった美羽につかまり、こうして三十分近く洋服を着替えるファンションショーに付き合わされている。
 今はさっきの美羽のセリフ通りメイド服だ。
 たしかに掃除……というか家事? をするには、ある意味あっている格好かもしれないが……
 やはり。絶対。何か違う。
 第一これは祐理が残した衣装だ。
 汚してしまっては大変だというのに。
「大丈夫だって。これはホントの衣装じゃないでしょ。祐理さんがお姉ちゃんが着慣れるためにって作ってくれたものじゃん。着ない方が祐理さんに申し訳なくない?」
「うう……!」
 そう言われると、そんな気がしてくる。
「祐理さんの作った衣装で、その弟である叔父さんのためにお掃除に精を出すお姉ちゃん。ほら、なんかとってもいい感じになると思うんだけどなー」
 ……なっているのだろうか?
「それに叔父さんって、ちょっといつもと違うシチュとかに弱いと思うんだよねー」
「えっ!?」
「莱香さんとか、ちょっと変わった服とか着てるとすごく気にしてるでしょ?」
 そういえば、ミニスカサンタに目を奪われていたことがあった。
「だからね、ほら。こっちの衣装とかも着てみようよ」
「ちゃ、チャイナ服!?」
 スリットは太ももの途中までなのだが、胸元にハートマークの窓が開いている。
 これじゃ、胸元の膨らみがしっかりと見えてしまう。
「これを着て、叔父さんが帰ってきたらお出迎えするってどうかなー。うーんと小道具は……」
 楽しげに美羽が衣装ケースをあさり始める。
 気が付けば、目の前にはチャイナ服だけではなく、チアガールや、巫女さんの衣装まで増えていた。
 それだけでも目眩がしそうなのに……
「うーん、さりげない色気を出すには……。……ん?」
 お姉ちゃんの色気かぁ……? と少し困ったように首を傾げられて、空は頬を羞恥に染める。おかげで我にかえった。
「わたしはコスプレじゃなくて、掃除するんだってばーっ!」
 お色気は関係ないもん。
 …………………………多分!
 そんなセリフは心の中にそっとしまった。

 午後七時。
 池袋の小鳥遊家に、パパたる彼の帰宅を告げるチャイムが響いた。
「ただいまー」
「「「おかえりなさーい」」あーい」
 三人揃った声に祐太は、嬉しそうにしている。
 デレッとして決して格好いい表情とは言えないけど、安心とほっぺたに書いているようなこの顔が、空はかなり好きだ。
「うう……苺大福の匂いがまだ鼻の奥に残ってる」
 そんなことを言いながら、祐太はリビングに入っていく。
 ぼすんとソファーに座ると、ふと振り返った。そして、背もたれにしたクッションを見つめてから、口元を緩めた。
「あー、なんかいい匂いがする。お日様の匂いかな?」
「そう?」
 それは今日、お日様がてっぺんにあるうちに干しておいたクッションだ。
 今さっき祐太が歩いたリビングの床もピッカピカに磨き上げている。
 午後一杯を使って空が掃除した小鳥遊邸は、年末大掃除後くらいにピカピカのペカペカだ。
「うーん、やっぱ我が家はいいなぁー!」
 大きく変わったことがなくて、今日の掃除の労力に気が付いてもらえなくても、祐太のこの一言が引き出せたなら大成功だ。
「お兄ちゃん、それって縁側のおじいちゃんみたいな発言だよ」
「うそっ!? ジジくさい!?」
 目を丸くしてショックを受ける祐太に背を向けておいてから、空は満足の笑みを浮かべた。
 明日の小鳥遊家も綺麗になるだろう。


【バックナンバー】
パパのいうことを聞きなさい!SS第一回 「BOY MEETS GIRLS」
パパのいうことを聞きなさい!SS第二回 「小鳥遊家の約束」
パパのいうことを聞きなさい!SS第三回 「彼女に彼氏がいない訳」
パパのいうことを聞きなさい!SS第四回 「ママとひな」
パパのいうことを聞きなさい!SS第五回 「イケメン無双」
パパのいうことを聞きなさい!SS第六回 「何事も形から?」
パパのいうことを聞きなさい!SS第七回 「美しい羽」
パパのいうことを聞きなさい!SS第八回 「莱香妄想(YJ風)」
パパのいうことを聞きなさい!SS第九回 「初めてのパンチラ」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十回 「空ちゃんのアルバイト志願」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十一回 「ひなとぬいぐるみ」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十二回 「新子胡桃の溜息」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十三回 「ファーストコンタクト」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十四回 「ひとりでできうもん!」
パパのいうことを聞きなさい!SS番外編 「三姉妹のお願い」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十五回 「プールの日」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十六回 「ひとりの時」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十七回 「そして始まりの時」
パパのいうことを聞きなさい!SS第十八回 「ゲーム発売記念・お掃除頑張って!」
アニメ『パパ聞き!』放映記念! 松智洋先生インタビュー(前編)
松智洋先生インタビュー(後編)

【関連リンク】
アニメ「パパのいうことを聞きなさい!」公式サイト
パパのいうことを聞きなさい!ポータル
スーパーダッシュ文庫 / 「パパのいうことを聞きなさい!」
PSP「ゲームでも、パパのいうことを聞きなさい!」

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