2012年09月13日

俺の妹がこんなに可愛いわけがない11巻発売記念 伏見つかさ先生・かんざきひろ先生の原作タッグインタビュー

「俺の妹」伏見つかさ・かんざきひろインタビューアニメ第2期インタビューに続き、恒例となりました「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」(著・伏見つかさ / イラスト・かんざきひろ)の第11巻発売記念インタビューをお届けします。 今回はインタビュー10回目にして、ついに原作タッグが揃いました!※このインタビューは、俺の妹(11)の内容に触れております。読了後にお読みいただくことを推奨します。

かんざき「みんなそんなにお尻が好きなのかっ!」

―――本日は かんざきひろ先生にもお越しいただいてますので、イラストの視点からシリーズ全体を振り返りたいと思います。読者から評判のよかったイラストはありますか?

かんざきひろ(原作「俺の妹」イラストレーター兼アニメ「俺の妹」キャラクターデザイン。以下、かんざき):第7巻黒猫の白いワンピースは反響がありすぎてびっくりしました。同人誌でみんな真似してお尻の所を描いていて、そんなにウケよかったんだって。そんなにみんなお尻が好きなのかっ(笑)!

関連:「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」7巻発売記念 伏見つかさ先生インタビュー

三木一馬(電撃文庫副編集長。以下、三木):あのイラストは一見普通っぽいんですが……なんだかお尻だけが妙にエロい!

小原一哲(電撃文庫編集):お尻の所を縞パンが透けているようにしたコラ画像がネットで出回っていて、『それをフィギュアにしたい』って企画書が来たりもしました。

一同笑い

―――今までの桐乃のイラストで反響が大きかったのはなんでしょうか?

伏見つかさ(「俺の妹」」作者。以下、伏見):やっぱり一巻の表紙じゃないですかね、どれだけコラにされたのかっていう(笑)。


三木:かんざきさんのカバーイラストには物語があるんですよ。とくに後半の巻になるに連れて、カバーイラストだけで桐乃と京介の短編ストーリーが想像できる、そんなイラストだと思います。素晴らしいです。

かんざき:あまり自分の中で理屈で描いてないので、たぶん無意識でやってるんでしょうね。

三木:アニメを経て、イラストはさらに躍動感を得たような気がしていて、アニメの影響が原作にも良い感じでフィードバックされているんだと思います。

かんざき:基本的にアニメは原作をやってる延長線上なので、ずっと作業が原作から続いてる感じなんです。細かい絵柄の部分では、アニメで修正を入れていると人物の描き方の影響が少しあるんですけど、それくらいですね。

―――シリーズ全体のお気持ちとしてはいかがですか?

かんざき:これまでキャラクターが一人歩きする感覚がわからなかったんですけど、この作品でそういう事がわかってきました。『このキャラならこういう時、こういう感じになるよね』っていうのがすんなりとイメージできるようになって、そこはだいぶ変わりました。

京介の過去はシリーズ執筆前からある程度決まっていた!?

―――それでは第11巻の話に移りたいと思います。まず驚いたのが、後書きの後に続きがある事なんですが、これはどのような意図でしょうか?

伏見あれは「バッカーノ!」成田良悟著/電撃文庫)のパクリです。

一同笑い

伏見:前々から、こういう面白いこと『俺の妹』でもやりたいんですよねーみたいなことを(打ち合わせで)話していて、今回上手いことできそうなんで、じゃあやりましょうかーと。

―――なるほど(笑)。新キャラ・櫻井秋美についてですが、注意した部分はありますか?

伏見:京介に対する位置付けは、さじ加減に苦労しました。京介の過去話を面白くさせるために登場したキャラクターなんですけど、その分、いかようにも設定できるところがあったので。

三木:今までで一番、性格や容姿が完成までに変わったキャラじゃないかな。

伏見:最初はもうちょい和風っぽい娘だったのですが、編集さんのアイデアで服装があんな感じに変わりました。過去編が、元々がちょっと暗い話だったので、明るくする役割を負っているんです。桐乃が居なくなった時に、代わりに赤城瀬菜が登場したようなもので。

―――なるほど。

伏見:今回は、小さい頃の桐乃を登場させたのですが、素直ないい娘すぎて書くのが難しかったです。現在の桐乃がどれだけパワーのある凄いキャラなのか、改めて思い知りました。『過去の高坂兄妹』については、機会があれば、何らかの形でリベンジしたいです。

かんざき:(櫻井秋美のデザインは)意外とすんなり出てきました。美味しいところを全部持っていっちゃ駄目なので、目立ちすぎないようにしなきゃいけない反面、特徴がないと完全にモブキャラになっちゃっても困るのでリボンをつけたりしました。

伏見:今回、かんざきさんに京介がパンツを被っている挿絵を描いてもらいました。

一同笑い

かんざき:はい、ものすごい具体的なシーンがきたので、特に迷わずそのまま描きました。過去の京介は性格が違うので、それを踏まえたイメージで変化をつけて、昔は元気だったのが第1巻の時みたいな性格になって、また最近戻って来ている、と考えると特に矛盾はない描き方だと思います。

三木:イラストレーターさんの頭の中でもキャラは元気に動き回っていて、良いエピソードですね。

かんざき:桐乃や麻奈実も過去のキャラクターとして成立させなきゃいけなかったので、どういう形にするか苦労しましたね。遠い子供の頃ではなくちょっと前なんだけど、今よりは幼いという。でも別人になっちゃまずいので、面影を残しつつも今までとは違う変化を持たせたり、絵的な部分で言うと、髪型や等身のバランスなどを含めて悩みました。

―――ここから気になった小ネタ関連の話も伺います。まず、ソーシャルゲームの話が出てきたのですが、これの元ネタって……。

伏見:はい。かんざきさんと台湾に行った時に……。

かんざきやっぱり俺かーーーっ!(頭を抱えながら)

伏見:かんざきさんは人を誘うのが上手で、コンプガチャを凄い楽しそうにやりながら『これ全然揃わないんですよー』っておっしゃってて(笑)。その頃かーずさんも大ニュースになっていて、勝手ながらネタにさせていただきました。

かんざき:自分はそんなにお金使ってないんですけど、周りの人に勧めるだけ勧めて、今は少し冷めてきています(笑)。

―――『hwhw兎虎's(ほわほわラビッツ)』の元ネタはあるんでしょうか?

伏見:オリジナルなんですが、しいて言えば「タイガー&バニー」のアスキーアートで、バーナビーがクマーになっているものが元イメージです。

―――ところで、麻奈実の語りパートは初めてですよね。

伏見:第4巻か第5巻の時に書こうとしていたエピソードを利用しているので、第1巻からあった設定プラス新要素を加えて……という感じで書きました。ちなみにこれがあるので9巻では(麻奈実視点の短編を)書けなかったんです。

三木:京介以外の一人称は、多用すると読みづらくなるのでなるべくわかりやすくと思ってます。

伏見:実は先にゲーム版で麻奈実のネタバレは若干やってしまったので、ゲームをやっている人と、原作で初めて知った人とでは感じ方はやや違うはずです。でもゲームをやってないから楽しめないというわけではなく、あくまで『違う面白さ』を感じていただけるように書いたつもりです。

―――今回の麻奈実は若干怖いような……。

伏見:麻奈実ファンにどう思われるのかちょっと心配ですけど、最終巻まで読んでいただければすべて納得していただけると思います。麻奈実だけじゃなく、キャラクターの扱いについて、ファンに怒っていただけるのなら、それはとてもありがたいことですね。

三木:まだ慌てる時間じゃない。ってやつです。

伏見:一つだけ読者の皆さんにお詫びをしなければいけないのは、すぐに続巻をお届けすることができないということです。10~12巻は完全に三部作になっていて、本当はすぐに続きを読んでいただかないといけないんですが……。この点については、本当に申しわけありません。

―――京介の過去にこういう事があって、現在の京介になったというのは、いつ頃考えられたんでしょうか?

伏見:これは三木さんと『俺の妹』を書き始める前に、電話した時ですよね。


三木:えっ!?

伏見:『昔、京介は活発な奴だったけど、夢が破れてこういう性格になった』って話をしたじゃないですか。

三木:……あーあー、し、しましたねっ!! めっちゃしましたっ!

伏見:いや、素直に覚えてないって言ってくれていいですよ(笑)。もちろんここまで具体的な内容は決まっていなかったんですが、第1巻で、京介が始めて自分の事を語っているシーンに名残があったりします。

一同、感嘆

三木:すごい! 伏見さんって全部ちゃんと把握して覚えていて、それを使っていたんですね。元からあったネタをちゃんと押さえておいたとは、さすが!

伏見:三木さんに言わないだけで、裏設定は細かく決まっているんですよ。

三木:それは失礼しました(汗)。

伏見:『京介と桐乃はなぜ仲が悪くなったのか』という事を描ける機会はないだろうと思っていたので、今回それを明かすことができたことに、びっくりしています。次はついに、今回提示した、物語の最終テーマを描いていくわけですが……ついにこの問題に戻ってきたかと感慨深いです。絶対に書ききろうと覚悟を決めました。

―――もっと続けて欲しいと思う読者も多いと思います。

三木:個人的には、作家さんが終わらせたいところで終わらせるのが作品の幸せだと思っていまして、それができるのは人気作の特権だと思ってます。続けたい場合は出来る限り協力して続けていこうと思っているんですが、『俺の妹』はそんなに長くは続かないよねって昔から言ってましたよね。

伏見:というか、『次の巻無理です』ってずっと言ってました。特に『続く』で終わったときは、読者への責任が発生するので『もし次の巻が書けなかったら作家をやめるしかない』と内心恐怖でいっぱいでした。いまもです。

―――最終巻の執筆状況はいかがですか?

伏見:ばっちりです。いまのところ過去最高レベルに面白いはずです。

三木:1/4くらい出来ているので、意外に上手くいきそうです。面白いと僕も思います!とっても明るいお話になっているので、楽しめると思いますよ!

―――なるほど。座して最終巻を待ちます。

―――毎度恒例ですが、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

伏見:『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』も4周年を迎え、ついに11巻まで辿り着くことができました。ここまで読んでいただきまして、本当にありがとうございます。ここまで長く続けることができたのは、良い読者に恵まれたおかげだと思っています。皆さんの応援がなければ、とっくに力尽きていました。最終巻はいままでで一番面白い巻にしますので、どうか最後までお付き合いください。よろしくお願いいたします。

かんざき:僕も続きが楽しみです。

三木:ファンの立ち位置じゃないですか(笑)!

かんざき:第11巻に関しては、今まで出てきたキャラクターたちの明らかになってなかった意外な部分が見えるので、その心境の変化などがイラストで表現できたと思います。次は有終の美を飾れるように体力をつけておきます。最終巻はおそらくアニメと同時作業ですよ、いやー怖い怖い、想像つかない(笑)。今からチャクラを溜めておいて、影分身の術を修行します。

―――(笑)本日はありがとうございました。

#文中、敬称略にて表記しています。

取材・文:かーず(かーずSP)、平和(平和の温故知新@はてな)、ノトフ(ノトフのブログZ

ここで『俺の妹』新刊発売記念
伏見つかさ先生サイン入りグッズプレゼント
■受付メールアドレス:oreimo2@gmail.com
■受付期間:2012年9月7日(金)~2012年9月24日(月)
■ハンドル/ペンネーム (本名ではなく)
■メール件名に必ず「俺の妹サイン入りグッズ希望」とお書きください
■アニメ&原作の「俺の妹」に期待することがあれば教えてください
■ほか、伏見つかさ先生、かんざきひろ先生への応援メッセージがあればお書きください
・当選者への当選お知らせメール 9月末頃予定
・申込は1人1件まで。複数申込は無効。申込多数の場合抽選となります
・当選発表は、当選者への当選お知らせメールをもってかえさせていただきます
・当選お知らせメールの際、お届け先とお名前をご返信ください
【関連記事】
俺の妹がこんなに可愛いわけがない11巻発売記念、アニメ制作スタッフ座談会!
俺の妹11巻 「テンポの良い小ネタ、終幕へ向けての盛り上げ、今巻も最高」
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」10巻発売記念 伏見つかさ先生インタビュー
第2期アニメ化決定記念! 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」インタビュー
京介ハーレム、あやせ告白 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」10巻
「俺の妹」9巻発売記念 伏見つかさ先生インタビュー 前編 / 後編
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 9巻 「桐乃・京介以外の面々による特別編!」
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(8) 「高坂京介、貴様付きあっているな!」
「俺の妹」8巻発売記念 伏見つかさ先生インタビュー 前編 / 後編
アキバBlogが登場する「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」BD1巻発売
「原作俺妹 売れすぎワロタw」 アキバだとゲマは完売してる
俺の妹がこんなに可愛いわけがない7巻 「シリーズ最大級の山場到来!?」
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」7巻発売記念 伏見つかさ先生インタビュー
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」アニメ放映インタビュー
禁書目録II vs 俺の妹! 日経新聞の広告コラボ、その舞台裏に迫る
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 アニメ化記念インタビュー
俺の妹(6)発売記念 伏見つかさインタビュー
アニメ化決定「俺の妹」6巻発売 平積み45面展開
俺の妹(5)発売記念 伏見つかさインタビュー<前編> / <後編>
海外留学した桐乃はどーなるのか 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」5巻 発売
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(4)発売記念 伏見つかさインタビュー <前編> / <後編>
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(4) 「色んな意味でクライマックス」
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(3) 発売記念イ ンタ ビュー -前編- -後編-
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2) 発売記念イ ンタ ビュー -前編- -後編-
重版再入荷 初版よりもタクサン → また売り切れ
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 売り切れてる
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 かーずSP・アキバBlogが名指しで登場

アキバBlog内 記事検索
この記事はコラム カテゴリーに含まれています | Edit