【コラム・ネタ・お知らせ】 "絵柄とカリカチュア"の視点から見た、(幼い系)漫画・アニメ・ゲーム絵の解釈論
みなさんはどんなジャンルが好きですか?お姉さん、妹、ツンデレ、ヤンデレ、純愛、SM、SF、ホラー、バイオレンス。色々な趣味趣向がありますが、今回はそんな中でも私達に比較的近い位置にある(幼い系)漫画・アニメ・ゲーム絵について、“絵柄とカリカチュア”の視点から語ってみたいと思います。
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こんにちわ!ビジュアルアーツのvavaしゃちょーです。
今日はいわゆる幼い系の漫画・アニメ・ゲーム絵について語ってみ――
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……ふう。
さて気を取り直して。
ひところかなり感情的な議論がかわされてたよね。
そもそもこれについてはけっこう長い歴史があって、今までもたくさんの人が学術的、法律論的、もしくは倫理的に語っている。そういうまとめサイトだってたくさんあるし、ちょっとググれば山のように資料も出てくる……。
だから本来なら、エンタメ業界でずっぷり生きてる私なんかがそう簡単に語れる問題じゃないんだけど、あえてこの問題を絵柄とカリカチュアというちょっぴり違う視点から語ってみたいと思う。
そう、今なら冷静に聞いてもらえる気がするんだ。
(過去回へのリンク)
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第38回 / 第39回
◆性の対象は18歳以上
まずは常識からいってみよう。
そもそも3次元……実在の人間に関して、日本という国では18歳未満の者を性の対象にしちゃいけないことは、みんなもうわかってるよね?
さすがにここには異論が入り込む余地がない。
……だって法律だから。
破ると当然ながら捕まっちゃうから。
同様に、そういう『実在』の18歳未満の者を性的に表現した写真や動画を、製造したり提供したりしても――これを児童ポルノという――違法なんだ。
・児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
ただし漫画・アニメ・ゲームなどの「非実在」の表現についてはこれには含まれないと明記されてるんだ。
あと、この法律では製造や提供はいけないとなってるんだけど、今のところ単純所持=ただ持つこと、までは禁止になってない。
・児童ポルノ(Wikipedia)
ただし、上のリンクにもあるように、すでに奈良や京都では条例化されてるので所持だけでも違法になるんだよ。
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どうですこの子供たちの笑顔!どこの世界でも子供は国の宝だよね この笑顔を守ることについて異論ある人のいるはずがないと思うのは、私だけではあるまい |
<ここまでのまとめ>
・18歳未満の者(児童)と性的な行為をしてはならない
・そういうポルノも製造したり提供しちゃいけない
・ただし単純所持はまだ違法ではない
・非実在の絵やアニメやゲームも除く
……え?
児童が18歳以下ってのに違和感があるって?
うーん、確かにそうかもしれないけれど、世界の先進国を見てみると、ドイツやアイルランドなど一部を除いてほぼ例外なく18歳以下の者を性的な対象にはしちゃいけないって法律があるんだよ。
◆カリカチュアへの理解を
上でも言ったように、我が国においては漫画やゲーム・アニメ絵のような、架空の表現物……私達の言う、いわゆる2次元は児童ポルノに含まれない。
漫画やアニメ・ゲーム文化の進んだ我が国では制作者がたくさんいて、表現の自由を掲げるし、そもそも『実在』の児童を性的虐待から守るための法律なので、被写体となった被害児童がいない漫画やアニメを対象とするのはおかしいという意見が根強いわけだ。
でもここに実は無意識に混同されている問題があって、私はそこにこそ漫画やアニメ、ゲーム文化が簡単にはその規制を是とできない要素があると思っているんだな。
それは絵柄とカリカチュア(絵的な誇張表現)に関してだ。
・カリカチュア(Yahoo辞書)
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月光の下、薄衣をまとっただけのしなやかな肢体に、掌にすくい上げた湖水を何度も浴びせかけながら、少女が歌っている・・・というシーン。でも髪の毛多すぎじゃね?とか水に浸かった髪だとこんな形にはならないだろうとか、そんなことは言わない。カリカチュアは当然あるのだ。 2012年11月22日発売 本格ファンタジーRPG「魔王と踊れ! コード:アルカナ」(catwalk) |
似顔絵をみればわかるように、漫画的な絵というのはもともと特徴が強調されるものなんだ。
人間にはいろんなタイプの人がいるわけでしょ?
背が高くて大人っぽい人もいれば、背が低くて幼く見える人もいる。
同様に、どういう人が好きかという好み=属性にもいろいろある。
こういう個性を漫画やアニメ、ゲームにした時それらの特徴を誇張して表現するのはごく当然のことだと思うんだよね。
んでもって、個性としての絵柄や誇張表現した幼い系の絵と、そのものズバリ子供を確信的に性的に描いた絵とは相当大きな思想的な隔たりがあると思う。
もちろん、被害者のない架空の絵を、しかし子供を性の対象にしたものは規制すべきかという問題は別にあって、私はそうすべきと言うスタンスでもないし、語る言葉を持たない。
だけど、社会の要請が規制の範囲を表現にまで押し広げるように働くときには、せめてこの両者をはっきり区別して考える概念を導入しないと、今後この文化に大きな瑕瑾(かきん)を残すと思うんだよね。
◆各国の様子
ここで一応世界の規制について調べてみよう。
・エロゲ販売規制問題まとめwiki / 海外の児童ポルノ規制の現状
・各国の児童ポルノ法(2010/03/24)
| 国 名 | 児童ポルノの年齢 | 創作物への規制 | 単純所持罪 |
| アメリカ | 18歳未満 | 事実上ある | ある |
| カナダ | 18歳未満 | ある | ある |
| イギリス | 18歳未満 | 事実上ある | ある |
| ドイツ | 18歳未満 | ある | ある |
| フランス | 18歳未満 | ある | ある |
| アイルランド | 17歳未満 | ある | ある |
| オーストラリア | 18歳未満 | ある | ある |
| ロシア | 16歳未満 | ある | ある |
| 日本 | 18歳未満 | なし | なし |
…。
……。
……あらま。
こういう状況をみると、世界の中では、むしろ日本の漫画・アニメ、ゲーム表現規制が比較的冷静かつ慎重なんだよね(笑)
まあ考えてみればそれも納得できる話しで、日本ほど漫画やアニメ、ゲーム絵の進歩した国は他にはないのだ。そういう意味で日本は唯一無二の先進国と言える。
だからこの文化が法で表現制限されることにはとても抵抗感があるし、おまけに創作物の表現規制のないわが国の性犯罪率が他国に比べ特に高いとは言えないから、創作物と犯罪との因果関係が不明なまま、規制だけ強化するのはおかしいとの意見が強いのだろう。
ちなみに犯罪率に関してはそれを論拠にするためには犯罪をまず社会が認知することが前提で、そうした被害を申告しやすい社会かどうかが一律ではない、てな議論もあるんだけどね。
・子どもの性犯罪被害の国際比較(データえっせい)
規制の厳しいこうした国々が漫画やアニメ、ゲームの絵柄や「カリカチュア」を認識しているのかどうか、私は寡聞にして知らないんだけど、おそらくは漫画・アニメ、ゲーム絵の表現技術が、単にまだそこまで進歩してないんだろうと思う。
◆PCゲームはどうなのっと
ところで、みなさんご存じの通り、成人向けPCゲームは自主規制団体としてのソフ倫や、メディ倫があり、われわれメーカーはそれらの規定をしっかり遵守して製作を行っている。
・EOCS/一般社団法人コンピュータソフトウェア倫理機構オフィシャルウェブサイト
・メディ倫(コンテンツ・ソフト協同組合)
・アダルトゲーム(Wikipedia)
だいたい、ゲームってのは昔からなにかあるとすぐ「やり玉」にあがっちゃうんだ。
PCゲームに限らず、テレビゲームでも昔は「ゲーム脳」なんて言われて叩かれてたし、PCゲームはもっとわかりやすくて、性犯罪系の事件が起こるたびに、そいつがエロゲをやってたんじゃないか、大量殺人があるたびにZ指定のバイオレンスなゲームをやってたんじゃないか、みたいな色眼鏡で見られたり報道されたりもした。
しかも文化的には芸術性が認めてもらえず、なかなか尊敬されない(笑)存在なので非常に弱い立場にあるんだよね。
だからこそ、こういう自主規制団体が出来たわけだけど……。
最近はようやく業界で規制をやってることが周知されてきたり、萌え系の台頭なんかもあってアナーキーな印象が少しは薄れてきた気がするんだけどね。
PCゲーム(アダルト)はそもそも18歳以上の大人が買うものだし、しかも関連法をしっかり守るべく規定を作り、それに則って作品を作っている。 先のカリカチュアの問題にしても、さすがに混同することはないし、きちんと区別ができているように思う。
たとえばゲームの中のキャラクターは全員が18歳以上だし、あからさまに犯罪を肯定的に描くこともなく、仮に幼く見えるキャラがいたとしても、それは絵柄であり、カリカチュアにすぎないというスタンスなのだ。
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すっごく可愛いキャラクターでしょ!幼い系の魅力あふれる設定とシチュエーション満載で予約殺到中のこのゲームだって、ちゃんと18歳以上という抑制の効いた設定なんだよ。 2012年11月30日発売 「ないしょのないしょ」(Iris) |
我田引水で申し訳ないけどさ、こういうエンタメ業界の中でも、ゲームやPCゲーム業界ってのは自主規制がうまく機能してる方だと思うんだよね。
◆ルールの中の自由
感情的な議論は今もあると思う。
抑圧に無条件に反発してしまうのは若者の特権みたいなもんだ。
特にそれが好きなものへの抑圧であったら、感情的になるのは無理もない。
だけど社会や制度の欺瞞を風刺するのが芸術の役割の一部であるように、きめつけや頭ごなしになりがちな大人のルールをしたたかに検証して、遂に変革を果たすのもまた、若い力だと思う。
あたら感情的にならず、なにが正しいのか、どうすれば文化と社会の両立を目指せるのか、次代を担う皆さんにはぜひ冷静に考えてもらいたいな。
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アキバBlogの読者ならこのキャラは知ってるよね? 愛称クド。本名「能美クドリャフカ」 リトルバスターズ!エクスタシー・スピンオフ作品「クドわふたー」のヒロインだわふー。 |
え、私?
私は…
…そうだなあ、私はプロなのできちんとしたルールがあるほうがやりがいがあるかな?
どんな作品にもやっていいことといけないことはあるし、その制約の中でいかに自由にきっちり表現するかが実はプロの腕の見せ所なんだよね。
<まとめ>
・18歳未満の者(児童)と性的な行為をしてはならない。
・児童ポルノも製造したり提供しちゃいけない。
・架空の絵は日本ではこの限りではないが、他の多くの国では規制されている。
・そろそろ絵柄やカリカチュアで幼く見えるのと、確信的に描く絵は区別すべきでは?
・それでも絵を規制対象とすべきかどうかは、別の問題だ。
補記1
今回はとてもデリケートな問題で、しかも私は当事者の一端でもあるのでかなりやりずらかった(笑) 結果わかりにくい文章になってしまったと思う。読者諸氏にお詫びしておきたい。
補記2
欧米では日本の漫画・アニメ、ゲーム絵の全てが子供に見えてしまうらしい。でもそれだと萌え絵で恋愛や性描写の全てが規制対象になりかねず、萌え絵そのものの否定になりかねないので、そうならないよう一度ここをハッキリさせておきたかった。恋愛や性愛を描かないアートが成立するわけがない。
補記3
若者が体制に反発するように、アーティストやクリエイターが常識や規制へ挑戦するのもいわば普遍的なスタンスだ。なにやってもいいというより、この枠の中でやれと言った方が彼らの意欲を刺激する。特にくだらない抑圧を馬鹿にした作品作るのは実に楽しいらしい(笑)「ゲーム脳」に対抗して「ゲーム知らない脳」とか言いえて妙w
補記4
本文の責任は全て私にあり、また私見に過ぎない。本アキバBlogや、なんらかの団体の意見を代表したものではないので、悪しからずご了承願いたい。念のため。
■Iris新作「ないしょのないしょ!」のポストカード配布会!を開催しましたー!
Iris新作で、それはもう可愛い女の子と達とベロチューしたり、アレコレしちゃう「ないしょのないしょ!」(11月30日発売)のポストカード配布会を実施しました! しかもポストカードは「□×過ぎた******(自粛)*****ポストカードにしました配布会!」ですよ!
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今回もコスプレイヤーさんがペーパーやポストカードを配布!しかもネコミミ! (噂の脳波で動くヤツ) |
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配布したポストカードはこんなの! え、わかりにくい? だって、ねぇ? |
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じゃぁアキバBlogさんをご覧の方に……ギリギリな感じで公開しちゃいます!(ドヤ顔 |
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ちなみに今回配布したブースはハロウィン仕様! |
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ポスターと配布告知はこんな感じでした! なお発売記念配布イベントも検討していますので、公式サイトをチェックしてみてくださいね! |
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